景観形成基準案

はじめに

 

 鵠南みどり会地域の景観の改善・維持を図り、住みよい、住みたい街づくりのため、藤沢市の景観形成地区の制定を目ざして景観形成基準(案)をつくりました。景観形成には、住民の実践はもとより行政による諸施策及び、事業者の協力が必要です。まさに、三者の協働による街づくりです。

その協働のために、住民と関係者が目標・方針及びルールを理解し守るよう、ご協力をお願い申し上げます。

緑の点線で囲まれた区域が景観形成予定区域となります。一部風致地区も含まれますが、駅に近い近隣商業地域は対象となりません。

■目標と方針

   1.景観形成の目標

   2.景観形成の方針 

2-1 土地利用

2-2 地区施設

2-3 建築物等

2-4 工作物

2-5 緑化

2-6 景観基準の管理

 

 ■景観形成基準

   1.敷地面積の最小規模 

   2.壁面の位置の制限

   3.建物の高さ

   4.建築物の形態意匠

   5.工作物の制限

5-1 垣・柵

5-2 擁壁

5-3 駐車場

   6.緑化

6-1 緑地率

6-2 緑化の位置

6-3 樹木の保全

 

 ■景観基準の管理 

    1.届け出の対象となる行為

1-1 建築物の建築等

1-2 工作物の築造及び設置

     2.手続きの流れ

 

鵠南みどり会景観形成基準(案)

 

■目標と方針

1.景観形成の目標

  • 湘南の太陽と海風(豊かな自然)のめぐみを受けて、緑豊かな鵠沼は住生活の場として、時代を超えて多くの人々を魅了して来ました。その快適で安心な生活環境を守り、改善を図りつつ、松が岡地区の伸びやかで明るい景観形成に努めます。
  • 自然環境と調和した緑の多い低層住宅地区として、各宅地内の木々や草花が連なり、道路空間と一体となった潤いのある街なみを形成します。
  • 地域の住文化を継承する風情ある建物や、野鳥が訪れる庭など、人々に共通の環境・景観資源を大切にします。

景観形成基準の概要

2.景観形成の方針 

2-1土地利用

  • 宅地の規模やその豊かな緑の維持・保全を図るとともに人と車に配慮した道路空間の整備で、
  • 生活しやすく潤いとゆとりある湘南鵠沼らしいまちづくりを進めます。

2-2地区施設

  • 公園や公共施設は本地区の街なみとの調和を図ります。
  • まちの憩いの場、語らいの場として活用でき、地域性の感じられる植栽を行うなど、明るく親しみのもてる場となるよう工夫します。

2-3建築物等

  • 建築物のデザインは、落ち着いた住宅地としての雰囲気を重視し、外壁の色やデザインを相互に調和させます。また、みどり豊かな住環境を守り、防災上安全で、良好な街なみ景観を育てるため、次の事項に取り組みます。
  • 建物は道路境界、隣地境界から壁面後退に努めます。また低層住居専用地域として周辺への影響を配慮し、建物の高さは周囲の住居より著しく突出しないよう配慮します。
  • 閑静な住宅環境を維持するため、落ち着いた色彩や建築デザインを用いるよう配慮します。

2-4工 作 物

  • 垣・柵などの外構の工作物は、道路から見た街なみを構成する最も重要な要素です。ブロック塀やコンクリート壁は最小限として、可能な限り自然素材を用い、圧迫感の少ない、潤いのある道路空間を創出します。

2-5緑化

  • 文化の香り豊かな鵠沼を代表する地区として、現存する緑を守り豊かな緑ある環境を育て、景観形成を図ります。 道路から見える緑地を重要視し、接道部分への重点的な緑化を図り、潤いのある街なみ景観を創出します。

 

2-6 景観基準の管理  

 

(1)景観形成基準と住民協定

住民協定の運用の結果、法令ではない住民協定での限界が出てきており、”景観法”の基本理念すなわち良好な景観は豊かな生活環境の創造に不可欠であり、その整備及び保全が図られなくてはなりません。 この度そのルールを景観形成基準として定めました。

景観形成基準に定めのない項目は、住民協定というかたちで、引き続きルールを存続させることとしました。

 

(2)建築・開発行為に係る計画段階における協議

鵠南みどり会の景観形成地区では、「人の和」を大切にし、住民・行政・事業者の早期のコミュニケーションを図ります。

景観の急激な変化は地域コミュニティへの影響が大きいため、事業者は、樹木の伐採や家屋の解体など計画の初期段階で市または鵠南みどり会景観形成協議会と調整を行うこととします。 

 

 

■景観形成基準

1.敷地面積の最低規模

地域の現状の敷地規模の維持を図りつつ、敷地の最小面積は132㎡(約40坪)を基準とする。

ただし、この景観形成基準が定められた際、現に当該規定に適合しない敷地または藤沢市都市景観審議会の意見を聴いて市長が認める場合はこの限りではない。

 

2.壁面の位置の制限

敷地周辺に対する配慮として、敷地境界周囲にゆとりを持たせるため、壁面の位置を以下の とおりとするよう務める。

(1)建物の外壁またはこれに代わる柱の面から道路境界線までの距離を、1.5m以上確保する。

(2)建物の外壁またはこれに代わる柱の面から隣地境界線までの距離を、1.0m以上確保する。

 

壁面位置の考え方

 

3.建物の高さ

建物の高さは、建築基準法上の高さ8m以下とする。

ただし、周囲の景観と調和すると認められる場合は、この限りでない。

 

 

4.建築物の形態意匠

建築物の屋根、外壁の色彩は、周囲の景観との調和に努める。

屋根の色彩基準は別表1による。

外壁の色彩基準は別表2による。

建築物の屋根、外壁の色彩は、藤沢市風致地区条例第3号鵠沼風致地区の色彩基準による。

ただし、周囲の景観と調和すると認められる場合は、この限りでない。

 

別表1(藤沢市風致地区条例第3号風致地区建築物等の色彩基準)

別表2(藤沢市風致地区条例第3号風致地区建築物等の色彩基準)

5.工作物の制限

 5-1垣・柵

道路境界線にかかる垣または柵の構造は、次の各号の1に掲げるものとする。 

1 生垣 

2 木材、石材、竹垣等の自然素材によるもの 

3 自然風の素材によるもの(コンクリートはつり、化粧ブロック等) 

4 透視可能な高さ1.5メートル以下のフェンス等と植栽を組み合わせたもの

 ただし、フェンス等の基礎で高さが0.6メートル以下のもの

または門柱にあっては、この限りでない。

 

5-2擁壁

擁壁は次のとおりとする。

(1)擁壁等は、前面道路からの平均高さ3m以下とする。前面道路からの高さ2mをこえる擁壁については、勾配75度以下とするよう努める。

(2)仕上げは、自然石もしくはこれに類するもの、又は擁壁の法面や上部に芝や低木などの緑化を施したものとする。

 

5-3駐車場

駐車場・駐輪場は可能な限り通りから見えない位置に配置する。又は通りから望見される位置に配置する場合においては、平面駐車場・駐輪場とし、透水性のある素材を用いた仕上げもしくは緑化を施す。


6.緑化

6-1緑地率

建築物の建築等及び工作物の築造及び設置の場合、敷地面積の20%以上の緑化を施す。

 

6-2緑化の位置

接道部の緑化を促進するため、敷地の接道部総延長の1/2以上を緑化する。

ただし、敷地の形状等から計画上やむを得ない場合はこの限りではない。
道路間口の道路から見える部分の緑化はこれに代えることができる。

 

 

6.3樹木の保全(木竹の伐採・緑の保全・維持)

(1)高さ5m以上の樹⽊は、保存に努める。⽊⽵の伐採については、最小限にする。

(2)伐採を⾏う場合は、その周辺環境を良好に維持できるよう代替措置を講じる。

  

■景観基準の管理 

1.届け出の対象となる行為

1-1 建築物の建築等(建築基準法第2条第1号に定めるもの全て)

□新築 □増築 □改築 □移転 □外観を変更することとなる修繕・模様替え □色彩の変更

1-2 工作物の築造及び設置

□新築 □増築 □改築 □移転 □外観を変更することとなる修繕・模様替え □色彩の変更

 

規 模

○高さが2mをこえる記念塔、装飾塔、物見塔

○高さが2mをこえる擁壁

○高さが1.5mを超える垣または柵

○物の製造、若しくは貯蔵の用に供する施設、供給施設又は処理施設で、高さが1.5mを超えるもの

○高さが1.5mをこえる自動車車庫

○高さが1.5mをこえる自転車など駐車場

○その他の工作物で高さが10mをこえるもの

 

 

 

2.手続きの流れ

 

※建築確認申請などの前に「住民協定運営委員会」の確認が必要となります。

以上